嫁の肺ガン闘病記&夫の介護記

肺ガン発覚〜闘病〜入籍〜再発 ALK肺ガン嫁とその夫の記録

吐血、視力喪失、高血圧痙攣からの復活

12/10金の12時前に大分の病院から電話がかかってきました。午前中に病院から電話があるのは珍しいので何事かと思いましたが、電話に出てみると、看護士さんが「今すぐ病院にこれますか?」といいます。

「妻はどういう状況でしょうか?」と訪ねました。

「血を吐いて意識のない状態です。今主治医が処置していますのであとで詳細は主治医から連絡があります」とのことでした。

これはただ事ではないと思い、無事であることを祈りながら、慌てて仕事を切り上げ大分へ向かおうとしていると主治医から電話があり、要約すると以下のような状況でした。

・吐血して意識の無い状態で巡回中の看護士が発見した。(吐血は主治医の観測では嘔吐の際に食道から出血と思われるとのことだった。ガンによる内臓疾患までは進行していなかったため)

・血圧が異常にたかく高血圧による痙攣、嘔吐があったと推測された。

・主治医が問いかけると意識はかすかにあり、目が見えないと言った。(後の検討でアルンブリグの副作用による視力喪失との結論にいたった)

・視力喪失の原因としてガン脳転移を疑い頭部MRI、CTを採ったが目視できるガンは見つからなかったが、脳の後部にモヤモヤとした陰があった。(後の検討で高血圧による脳浮腫との結論にいたった)

 

だいたい以上のような内容だったと思います。

大分の両親はすぐに病室に向かい、その後の連絡で病状は安定しているとのことでしたので、少し安心しました。

私も急いで病院に向かいましたが着いたのは夜でした。(関西から大分に行くのは最速でも5,6時間かかります。)

到着して妻の様子を見ると眠り薬を入れたようでぐったりとしていました。その頃には視力はある程度回復していて、話しかけると私とわかるようでした。

病院に向かう新幹線でアルンブリグの副作用を調べたところ視力障害と高血圧はかなり高頻度で報告されていましたので、副作用の疑いが強いと思っていましたが、病院について主治医と話したところ、主治医も副作用だとのことで、一旦休薬して落ち着いたら減薬して再開するとのことになりました。(当日の腫瘍マーカーは690にやや下がっていたので薬は効いているようでした。)

病室には多くの血痕があり、かなり血を吐いたのが見て取れました。ただ、一つ解せなかったのは「食道からの出血」でした。どれだけ嘔吐が激しくても食道が避けて出血するのは(素人考えですが)想像出来なかったからです。

後でわかりましたが、妻の前歯が前に大きくまがっており、歯茎からの出血だとわかりました。痙攣の際、よほど激しかったのでしょう、顎に力が入り前歯が亜脱臼していたようです。

内臓からの出血でないとわかり幾分、安心しましたが、前歯のことは後で妻は気にするだろうなと心配しました。

 

それから病室に3日ほど泊まり込んで付き添いました。休薬により徐々に血圧も下がり、視力も回復しました。

 

ガンの状態は維持情報で余談を許さない状態ですが、なんとか強烈な副作用からの復活に至りました。

今回はアルンブリグによる高血圧痙攣と視力喪失という重篤な副作用がありました。同じ薬を使っている患者さんが、日本では300人ほどおられると聞きます。

少しでも参考になればと思います。