放射線治療について
毎週月曜日と木曜日は、放射線治療後に先生の診察があります。
この日わたしは、ずっと気になってたことがありました。
胸骨のところのリンパに転移したガンに抗がん剤が効かなかった場合、放射線治療を行う事ができるのか?
胸のリンパが滞ったままでは、低酸素は治らず、肺水腫もまた再発する。
放射線治療ができるなら、今すぐやらないにしても"手段はある"と思えることが安心に繋がるので、いちいち確認したいのが患者としての本心でした。
そんなわたしの唐突な質問に先生は、
三大ガン治療には、それぞれ得意分野があって…
と話始めてくれました。
手術はピンポイント。
開きやすい場所と開きにく場所がある。
抗がん剤は広範囲。
リンパ管とか血液とかは、抗がん剤が得意分野でよく効く。
リンパと血管は違うけど、リンパは血液が形を変えたものだから、抗がん剤もしっかり届く。
放射線治療は、手術と抗がん剤の間に位置。
放射線で照射したところのガンを死滅させることはできるけど、そこへ到達するまでに正常な細胞にも照射してしまう。
なので、わたしの質問に対する答えは、
リンパ管へ放射線を照射する事は可能だけれど、そのために正常な肺にも照射されてしまう分、その効果よりも副作用の方が強い。
リンパ管などは、抗がん剤治療が得意分野。
という事でした。
先生は、
"
抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせる事で、1+1が3にも4にもなるんですよ。
"
と言ってくださいました。
主治医の"ミラクル起きたーー"発言も、この足し算が3とか4になったからなのかもしれない。
ただ、放射線治療の効果が出るまでには時間がかかる。
ボクシングでいうジャブを、毎日打つことで、それがいずれ効き始める。
なんでこんな回りくどいやり方なのかと言うと、ガン細胞に照射するまでに正常な細胞にも照射してしまう。
正常な細胞は1日あれば回復するけど、ガン細胞は1日では回復しない。
それが毎日続く事で、ガン細胞はいずれ死滅する。
ちなみに、放射線治療終了後もその効果はしばらく続くのだそう。
あと、
"
放射線治療の副作用は、貰っても嬉しくないグリコのオマケみたいなもの。
"
なのだそうで。
ほとんどの人が、大した事ない副作用で終わるらしい。
(ちょっと安心)
とても丁寧に毎回説明してくれる放射線科の先生は、当直明けと思われる日はピヨんっと寝癖がついています。
つづく